February 12, 2009

モントリオールの建築

冬休みにNYに行ったときに宿が一緒で、Dia BeaconP.S.1に連れて行ってもらった建築士の及川さんとは今でもメールで連絡を取り合っている。
さっきメールをチェックしたら返信がきていて、カナダの建築家Dan HanganuHabitat 67という集合住宅は要チェックと書かれていた。
さっそくDan Hanganuのホームページを見てみると、驚いたことに僕が通っているHEC Montrealはこの人が設計したようだ。これにはかなり驚いた。留学前に、直祐がHECのビルを見て「ポンピデゥ(Pompidou)みたいですね」と言っていたのを思い出した。モントリオールはフランスとの文化的な繋がりが非常に強い。歴史的にも、経済的にも。もともと16世紀後半からフランスからの移民がカナダ、特にケベックを支配していた。当時からカナダという名称は存在していたが、主にヌーベルフランスと呼ばれていたようだ。18世紀にイギリスとフランスとの対立が表面化したことで、当時イギリス領であったアメリカとフランス領カナダとの間で北米植民地戦争が開始された。結果としてフランスが負け、ケベックはイギリスの配下になる。結果として、現在のカナダでは英語が主要な言語として使われているが、ケベック州ではフランス系の移民が残ったため現在でも主要な公用語はフランス語だ。公式には英語とフランス語の両方が公用語になっているが、生活していてメインで使うのはやはりフランス語。例えば、スーパーに買い物に言っても、レジでの一言目はBonjour!。そこで、Hello!と言えば、向こうもこっちがフランス語は話せないのだな理解してくれて、使用言語が英語に切り替わる。
経済的にも、フランスとの結びつきは強い。現在在学しているHEC Montrealでも全学生の40%はフランスからの留学生だ。理由は、本来の学費の30%のみで、保険料を納めなくても、カナダ国民と同じ医療援助が受けられる。さらに、Air Franceの航空便もモントリオールとフランスを密接に結んでいる。
単に偶然かもしれないが、モントリオールやケベックをベースに活動している彼の作風がフランスの建築に類似しているという理由も、モントリオールの歴史的、文化的、経済的な背景を考えるとなんとなくわかるきがする。
それにしても、自分が通う学校が著名な建築家のものだとは全くしらなかった。たしかにファサードはすごく迫力がある。始めて見たときからカッコいい建築だなと思っていた。カフェテリアの吹き抜けの吹き抜けも凄く気持ちが良い。ただ、実際に使ってみて、不便なところもある。構造が結構複雑なため、学内で迷うことがある。とく3階より上の教授の研究室のあるフロアは特に複雑。それに残念なことに、メインのエントランスはあまり使われていない。学生がメインで使う入り口はメインエントランスは逆に在る小さいエントランスだ。そのエントランスの方が駅にもバス停にも近いからだ。
でも、これで学校に行くのが楽しみが増えた。


及川さんが教えてくれた要チェックな建築物は、Habitat 67。1967年に開催されたモントリオール万博の際の関係者のための住宅として立てられたもので、1976に開催されたモントリオール五輪の際の選手の滞在場所としても使用され、現在は集合住宅として使用されている。設計は名門McGill大学出身のMoche Safdie。北アメリカの東海岸を中心に世界各国で活動している建築家のようだ。
これは何度か見たことがある。
一番最初に見たのは、到着後3日目に同じ部屋に宿泊していた韓国からの留学生のYoungとJihoonとモントリオール観光に出かけたときだ。オールドポートをぶらぶら歩いているとすごい形の建物が遠くに見えるなと話していたら、Youngがあれは集合住宅で、お金持ちが住んでいると教えてくれた。裕福な人たちが住んでいるかはわからないが、あそに住む人たちは変わり者ということは間違いないだろう。すごくインパクトの強い建物だったので、モントリオールにいるうちに一度は行ってみようと思ったのを覚えている。
二度目は交換留学の学生のウェルカミングウィークのイベントでラフティングに行ったときだ。ラフティングはオールドポートを出発してモントリオール沿いに船を進めていった。そのときに、見たのが二度目だ。今度は海の上から見ていたから無駄な障害物がなく、その建物の全容を見ることができた。二度目もそのインパクトは凄く大きかった。ダークグレーのキューブがランダムに積み上られて全体を構成する姿は、驚きとともになぜだか恐怖感を感じた。
1967年のモントリオール万博は、カナダ建国100年の記念として開催され、立体映像や環境演出によるテーマの追求が見られた。現在でもモントリオールでは8月末から、映画祭が行われているのは、この影響だろう。万博の際の、建物としては、バックミンスター・フラー(Buckminster Fuller)の設計したジオデシックドームを見に行ったことがある。あれも凄い迫力だった。内側に吸い込まれて行きそうな球体。現在は環境の博物館になっている。
二度目にみてから、何度かオールドポートに足を運んではいるが、未だにHabita67には行けていない。帰国までには必ず行こう。今週は暖かいみたいだから、週末にでも行ってこようか。

4 comments:

Nishimaki Naosuke said...

ポンピドゥー!
ヨンヘチャンのトークショーの時に、ポの字も知らなかったの思い出しました(笑)
でも、あの時NYのニューミュージアム知ってたとか不思議ですけどね。

いやー今度グローバルタワー行ってきます!

akira_enomoto said...

ニューミュージアムは確かCASA BRUTUSの建築特集があったから、知ってたんじゃないか?
ポンピドゥの新館は坂茂だね。オープンは今年だから帰国する前に建物だけでも見てこようかなー。
ビーコンプラザもグローバルタワーも税金の無駄遣いと言われているけど、それも磯崎新の設計だもんね。だから、使用する際の制約が多いんだろうね。
中津にある風の岡葬祭場は日本屈指の建築家槙文彦の設計みたいだね。ちなみに、この建築家は京都国立博物館とか、テレビ朝日の設計をした人で、SFCとか東大法学部とか教育系の建物もよく設計してるみたい。

Nishimaki Naosuke said...

この前『Ground Zero Diary』って洋書のゴツいのげっとして、そのときに坂茂出てきましたよ!

そうだ、ブルータスだ!
今月のカーサの3ページ目くらいにロレックスの広告が見開きで出てました。
やっぱり富裕層には、経済的なダメージとかないのかも!
特に日本人にはとか思いました。
円高の影響もあるだろうし…

akira_enomoto said...

『Ground Zero Diary』いいねー。グラウンドゼロの再計画チームの建築家たちのドキュメンタリーみたいなかんじなのかな。
ロレックス。逆にこんな時期だからこそ、広告をでかく出して認知してもらおうってことなのかもな。日本人は円高でどんどん海外旅行にいってるみたいだけど、APUの韓国の学生は数百人単位で休学するらしいよ。学費が2倍だからね。
円高だと、海外に市場がある企業は大変だよね。TOYOTAとかだと外国為替が数円違うだけで、アメリカでの販売する車の値段が数万、数十万違ってくるし。